売買予約権付定期借家(期間上限5年)

売買予約権付定期借家(期間上限5年)

一定の期間に限定して借りる定期借家契約に、借家人がその借家物件を買い取る権利(売買予約権)が付加されたものを指します。この契約形態は、借主が最終的にその物件を購入する意思を持っている場合に利用されることが多いです。

貸主様 借主様 (予約完結権者)

定期借家契約
(更新なし、再契約可)(期間:上限5年)


 同時に契約

売買予約契約

(売買予約による所有権移転請求権仮登記)

(課税価格 不動産の価格の1000分の10:原則)

※1予約完結権で時効消滅

(5年以内に予約完結権を行使していれば5年以降でも本登記が可能)

※2 債権の消滅時効が 5 年とされたのは、⻑期間債権を行使しないことによる 法律関係の不安定化を避ける趣旨であると考えられるところ、不動産という高額な 物件の取引においては、一層将来的な諸般の情勢の変化や双方のリスク負担を 最小限度に抑える必要があると考えられます。そのためには 5 年以内の期限を定め、一旦区切りをつけて改めて契約について再考する機会を双方が持つことが最適であると考えられるため、このような契約形態に限定しました。借主様としては、5 年以内に予約完結権を行使することにより確定的に所有権を取得できますし、売主様としては定期借家とすることにより、再契約を結ぶかどうかの決定権を留保することができるため、双方の公平性のバランス確保と将来的なリスク軽減の最適化が図れると考えます。

契約の「メリット」と「デメリット」

貸主様のメリット
①契約時点の価格で売却できる 減価償却や家賃下落の考慮不要
②原則借主からの解約を制限し、家賃減額請求を排除することも可能
③予約完結権が行使されると、支払った家賃がそのまま売買代金に充当されるため、家賃滞納リスクが小さい
④普通借家と異なり契約の更新がないため諸般の事情の変化を再契約に反映させやすい


①定期借家の場合でも、借地借家法の規定により、退去リスクが 0 ではない
②不動産価値が上昇した場合でも、予約完結権行使期間中は売却が制限されることがある
③賃貸借期間中は、原則として修繕費や公租公課の負担義務は貸主側にある
④借主が予約完結権を行使してから住宅ローンが通らない場合、原則売買契約は白紙撤回される


①予約完結権を行使すれば、支払った家賃が実質物件購入代金に充当される
②購入前に実際住んでみてから判断できる
③契約時の価格で購入できるため不動産価値が上がればメリットになる
④賃借期間中は勤務先からの家賃補助、フリーランスの場合家賃の一部の経費算入ができる場合がある
⑤購入時点の総額が減少するため、住宅ローンが通りやすくなる場合がある


①定期借家のため、予約完結権を行使しなければ原則契約の更新はなく退去を余儀なくされる場合がある
②期間途中の解約の場合、契約内容によっては違約金が発生することがある
③予約完結権を行使せず退去する場合、仮登記費用が無駄になり原状回復費用や仮登記抹消費用がかかる場合がある
④賃借期間中は原則としてリフォーム等ができない
⑤所有権移転登記(本登記)時に、税その他通常の売買と同様の費用がかかる